なぜこのサイトを始めたのか?

今まで、私はFacebookを中心に、がん治療に関する情報提供をしてきました。このたび、このサイトを立ち上げることにしました。このサイトを立ち上げた最大の理由は、がん治療に関する嘘の情報への怒りです。

私は、キャリアの最初は脳神経外科医として脳腫瘍患者を実際に診療してきて、その後に基礎研究者として脳腫瘍を中心に、がん全般の研究・臨床を見てきました。その中で感じるのは、世界のがん治療は着実に進化していて、この10年で数多くの”がん”が不治の病いから、治癒可能なものへと変わってきています。もちろん、まだまだ治療が難しいものもたくさんありますが、確実に世界のがん治療は進歩しています。

ただ、このがん治療の進歩とは裏腹に、日本では全く治療効果の望めない、とんでもないイカサマ治療や食品が高額で販売されたり、全く意味のない食習慣などの情報が大きく拡散されたりしています。時には、効果のある治療が否定されていたりします。これらは、治療の機会を逸しさせたり、財産を失わせたりという大きな問題を起こし、患者・家族を大きく振り回すこととなっています。このような問題を起こしている背景にはいろいろな問題がありますが、大きな要因となっているのはネットや書籍を始めとした情報媒体による嘘の情報の拡散です。

嘘の情報は時に商売のために行われている場合もありますし、時には全く悪意のない一般人によって行われている場合もあります。専門家から見れば明らかな嘘でも、一般人には見抜くことは難しく、どんどん拡散してしまい、その情報が患者や家族を苦しめています。ネットの情報はより極端であればあるほど、真実と離れていればいるほど、人の注目を浴びて広がっていき、その広がる速さは医師や学会が真実の情報を広めていく速度を遥かに凌駕しています。また、嘘の情報を拡散している人に比べて、正しい情報を報告している人があまりに少ないです。医療関係者はとにかく忙しいため、情報提供を実際に行うことが難しいという現状もあります。この状況を少しでも改善しないといけません。

私は1年ほど前よりFacebookで、がん治療に関しての正しい情報を提供するべく、微力ながら活動してきました。そこで分かったのは、嘘の情報に振り回されている患者や家族があまりに多いこと、正しい情報を欲している人があまりに多いという実態でした。そして、がん治療に関した正しい真実の情報も、たとえ難解な内容であっても、ちゃんと一般の人が理解できるように噛み砕いて書けば、大きく広まってくれるということもわかりました。

そこで、このサイトでやりたいと思っているのは、がん治療の正しい情報を、できるだけわかりやすい形で報告して、嘘の情報に惑わされる人を少しでも減らしたいと思っています。がん治療は命をかけた戦いです。しかも、常に時間との戦いともなります。間違えた選択をすることは人生を狂わせることになりかねません。特定のがん治療を選択することは、ある意味では人生の選択にもなります。その選択はとても大事なもので、自分だけではなく、家族にとっても大事なものです。選択を誤ってしまえば、最愛の子供たちの成長をみることもできなくなってしまいます。その大事な選択を嘘の情報でさせてはいけません。何とかしないといけません。

もちろん、私の力だけではとても足りませんので、多くの先生方のお力もいただきたいと思っていますし、患者さんやその家族などのお力もいただきたいと思っています。まだまだ未熟で勉強をしている私ですので、至らない点や、間違いをおかすこともあるかもしれません。このサイトを運営しながら、私なりに学んでいき、成長していけたらと思っています。どうか、優しい目で見ていただけたらと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

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コメント

  1. 三浦 良 より:

    FacebookとTwitterでシェアさせていただきます。

    科学的なものを非科学的に語ることを許してはならないと私も思うからです。

    仕事で医学部受験生と向き合ってきた私も、病と向き合わなくてはならなくなった母を持つようになり、日々、科学的なものを非科学的な穴に陥らず、それでいて文学的に励ますことが出来ればと格闘いたしております。

    小さな夢は人に翼を授けます。そして、すべての幸せは一つの奇跡から始まります。

    偶然のような奇跡の裏には、必ず、前向きな姿勢と真っ当な科学があることを、一人でも多くの方々に知ってもらえることと、サトル先生の研究が上手くいくことを心から願っています。

    • Dr Satoru より:

      コメントをありがとうございました。ぜひ、今後もよろしくお願いいたします。

  2. 坂本朋子 より:

    初めまして。
    わたしはCRCを足掛け16年しています看護師です。
    わたしも先生と同じように感じています。
    そして、信頼できる情報を得る為の準備知識、知恵のようなものを発信し始めました。
    また、「誰かに言われたからそれをする」のではなくて、自ら迷いながらでも選んでいく姿勢や観念の芽が育てばいいなと思っています。そのためには「共に腹をくくる」看護師が必要で、意思決定を支える医療者としても始動しました。
    先生のブログを楽しみにして、また参考に話していきたいと思います。

    • Dr Satoru より:

      コメントありがとうございました。今後もご意見をよろしくお願いいたします。

  3. これからのエントリーを楽しみにさせていただきます。
    肺がんで免疫チェックポイント阻害剤(キイトルーダ)の投与を受けていますが、それ以外はいたって普通の生活で治療の進化を実感している68歳の親爺です。

    • Dr Satoru より:

      コメントをありがとうございました。今後もブログを読んでいただければと嬉しいです。治療を頑張ってください。