Glioblastoma再発時における遺伝子変化の解析

癌のゲノム解析も対象が初発腫瘍から、初発と再発時の比較へと移りつつありますね。近年、他臓器癌でもたくさん報告が出ています。脳腫瘍でも報告が出始めていますね。紹介するのはGlioblastomaに関して、初発時と再発時を、同一症例で複数箇所のゲノム解析を行ったものです。面白かったのは、再発腫瘍の起源となっている細胞は初発腫瘍内をメインで構成する腫瘍(サンプリングされたもの)そのものではなくて、腫瘍発生時の初期に枝分かれする起源になったであろう細胞というところ。また、放射線化学療法の最中に加わる遺伝子変異の多さは症例によって差異があるのですが、加わる変異の多さは予後に関わらない、というのも面白いかなと思いました。この加わる変異の多さが予後に関わらないという結果は、白血病での同様な解析とは逆ですね。あちらでは、変異が増えた症例ほど予後不良という結論になっていました。私の勝手な解釈では、GBMの場合は初期腫瘍内に入っている一部の強い抵抗性をもつ細胞(増殖の遅い)が再発(+予後)にとって重要であって、初発腫瘍内の増殖の早くて、大部分を占めるようになる腫瘍細胞は重要ではないと考えられるのかなと思いました。ゲノム解析の専門家の意見も伺いたいですね。

(記事作成 2015年7月22日

<紹介論文>

Whole-genome and multisector exome sequencing of primary and post-treatment glioblastoma reveals patterns of tumor evolution.

Kim H, Zheng S, Amini SS, Virk SM, Mikkelsen T, Brat DJ, Grimsby J, Sougnez C, Muller F, Hu J, Sloan AE, Cohen ML, Van Meir EG, Scarpace L, Laird PW, Weinstein JN, Lander ES, Gabriel S, Getz G, Meyerson M, Chin L, Barnholtz-Sloan JS, Verhaak RG.

Genome Res. 2015 Mar;25(3):316-27. doi: 10.1101/gr.180612.114. Epub 2015 Feb 3.

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