<講談社サイト記事> 手を出してはいけない「がん未承認治療」の見分け方、教えます
最近、講談社のサイトに2本の記事を寄稿しました。その1本目のご紹介です。
がん患者さんの中には有効性の確認された標準治療以外にできることはないかと、未承認治療を試みる方もいます。ただ未承認治療は玉石混淆で、どれを選ぶかが大変に難しいです。今回はこの未承認治療の中で、期待できる治療と怪しい治療をどう見極めるかを解説しました。
未承認薬の中では価格が高いものほど、効果が期待できると勘違いしている人が多いですが、実際には基本的に無料で行える後期臨床研究に進んでいる薬が、最も高い有効性を期待できます。
高額販売の未承認薬は開発初期段階であったり、すでに効果が確認できなかった薬が多く入っており、特に注意が必要です。
一般の方はネット/書籍で紹介されているがん治療の中には効果のあるものが結構あると思っている人が多いです。しかし、実際は今回にお示ししたように、有効なお薬は滅多にありません。
がんは本当に難しい病気です。ネット/書籍では少数例のケースを過度に強調して誤解させていますが、実際に多数例で厳密な検討をするとごく少数の治療しか本当に有効ではありません。
がん専門医が未承認治療を積極的にお勧めすることがほとんどない理由は、今回にお示ししたように、開発後期にあるような薬でないと、有効である可能性は極めて低く、期待が十分にできないためです。
記事をぜひ読んでいただければと思います。