嘘の医療情報に騙されないために知るべきこと

ネットには様々な医療情報が広がっています。参考になる正しい医療情報もありますが、中には完全な嘘の情報も見られます。とても恐ろしいのは、その嘘の中には本当に生命を脅かしかねない深刻なものも見られます。癌領域では、「早期癌が見つかっても、手術や抗がん剤治療を受けてはいけない」などの、とんでもない嘘が平気で書かれています。ちゃんと治療を受ければ、ほぼ確実に治癒できるのに、この嘘によって生命を失う危険すらあります。

こんなネット社会においては、自分自身や家族を嘘からちゃんと守らないといけません。そのために、私が大事だと思うのは、ネット上の医療情報の特徴を良く知っておくことと、正しい情報の見つけ方を知ることです。今回は、ネット上の医療情報の特徴正しい医療情報の見つけ方について解説します。

ネット上の医療情報の特徴

ネット上の医療情報というのは、テレビや新聞での報道のされ方とは違う特徴がいくつもあります。それを知っていないと騙されてしまいます。私が知っておくべきと思う、ネット上の医療情報の特徴をまとめました。

1、一般人には正しいかの判断がつかないものが多い

2、当たり前で正しい情報は拡散されない

3、極端な嘘ほど広がる

4、陰謀説が広がる

5、深刻な嘘ほど広がる

6、拡散されたことで誤解させる

7、批判の有無では正しいかを判断できない

それぞれについて順に解説していきます。

一般人に正しいかの判断がつかないものが多い

医療情報には基本的に嘘が入りやすい性質があります。そもそも、嘘であることがわかりにくいです。内容がとても専門的ですので、一般人には簡単には正しいかの判断ができません。それに加えて、すぐに確かめることができないものが多いです。医療情報に登場する治療方法などは、多くの場合には時間をしばらく置かないと効果がわからないので、効果の判断がその場では難しいです。例えば「電子レンジを使って食べ物を温めると癌になりやすい」などの嘘も典型です。毎日使用していて問題は起きないことはわかりますが、癌ができるという数十年も先のことですので、本当かどうかの判定がすぐにはできません。そのために、そうなのかもと不安になってしまいます。

当たり前の情報は拡散しない

ネットの嘘で大きな問題は拡散です。拡散は良い一面もありますが、医療情報については悪い側面が大きいです。ネットの情報拡散の特徴は、面白いものほど広がり、面白くないものは広がりにくいです。残念ながら、正しい医療情報というのは一般的に当たり前で面白くないことが多いです。例えば、「ダイエットのためには食べる量を減らして運動しましょう」といえば、当たり前であって、何も目新しくありません。だから、それについて書いたブログはシェアされません。ただ、ダイエットのためにはこの当たり前のことを超える手法はほとんどないわけですが、目新しくなくて面白くありません。

極端な嘘ほど広まる

逆に、ネット上で大きく広がるのは、極端・短絡的・簡単に実行可能・突拍子もない方法です。「OOを食べると癌が治る」などの極めて単純で、誰でもできるもの、それが効くとは思わなかったというのがとてつもない拡散力があります。「この周波数の音を聞くと癌が治る」なども、効果がどうかというのはあまり大事でなく、実行するのが簡単で、突拍子もないことなので、みんなが注目します。面白いと思う人がでて、それはすぐに何万も拡散されてしまいます。