がん講座(第3回) どの未承認治療がおすすめか?

国内未承認薬とは

国内未承認薬について解説します。

図で解説したような内容です。

これらの薬はすでに選手権を勝ち残った薬で、効果はかなり確実です。また、ひどい副作用がでる可能性は低いことです。ただ、これは海外で得られた結果のため、日本人でも安全かを検討中ですので、効果・副作用が同等かは100%の確信は得られていません。

最大の欠点は国内では保険適応されないため、個人輸入などが必要で、手続きが煩雑で、高額の出費が必要になります。

具体的な探し方ですが、

1、担当医に質問する

これが最も早く確実です。

2、国立がんセンターの国内未承認薬リストで調べる

これはPMDA未承認薬データベース をもとにがんセンターがまとめた情報です。2019年3月末時点の情報です。

注意点ですが、国内未承認薬が見つかることは残念ながら多くありません。また、見つかった場合でも、適応になるかどうかには難しい判断が必要です。ご自分でリストから見つけたとしても、必ず主治医の方にご相談をしてください。

臨床試験薬(治験薬)とは

まず図での解説を見てください

製薬会社や医師等が行っている臨床試験(治験)へ参加することで、新薬を投与してもらう方法です。先ほど説明したように、できるだけ後期の臨床研究ほど、効果が得られる可能性が高く、副作用が出る可能性が低いです。

また、大きな利点は費用負担が基本的にないことです。臨床試験は製薬会社など試験の運営側がお金を出して行われます。患者さんは効果を得られない可能性もあり、副作用を受ける危険もあるため、原則的に費用負担を免除されます。

この探し方は、

1、担当医に開発後期の臨床研究で自分が参加できるものがないか聞く

2、国立がんセンターが提供している検索ページで調べる

ここではどの臨床試験がどの開発段階(開発後期:第4段階、開発中期:第3段階など)にあるのかも調べることができます。このリストには治療効果だけでなく、痛みを取れるかの試験や、診断の試験も含まれます。目的にあったものを探してください。

注意点ですが、臨床試験は確実に効果が得られるものではなく、副作用を被る危険もあります。また、どの試験にも参加条件が設けられていて、病状や既往疾患などによっては参加を断られてしまうことがあります。参加を検討される際には、必ず担当医師に相談してください。また、不明点については、拠点病院にある「がん相談支援センター」などにご相談ください。