第2回 やさしいがん講座 標準治療以外を選択する危険性

インスタグラム上で行っています「やさしいがん講座」に多くの反響をありがとうございました。インスタ上にも正しいがん情報を広めるべく頑張っていきたいと思います。

こちらのブログでは、インスタ記事と連動して、「やさしいがん講座」の詳細版をお届けしています。インスタ記事では伝えきれないことを、こちらのブログで追加解説しています。また、インスタをご利用でない方は、こちらで内容を読んでいただければと思います。

さて今回は、少し前に公開しました「やさしいがん講座 第2回」の詳細解説をしたいと思います。第2回目のテーマは「標準治療以外を選択するのはなぜ危険なのか」についてです。(インスタアカウントは@satoru_osuka、インスタの元記事はこちらです)

なぜ標準治療以外の選択肢は危険なのか

がん治療にはすでに効果が確認されて、一般的に広く使われている標準治療と、まだ効果が確認されていない代替療法未承認治療とも呼びます)があります。

やさしいがん講座の第1回目でもお伝えしたように、医療者がお勧めするのは標準治療で、それ以外の治療をお勧めすることは基本的にほとんどありません。良く病気のことを知っている専門家ほど、標準治療以外はお勧めしません。

それはなぜなのでしょうか?

結構、たくさんの方がこれに対しては疑問に感じていらっしゃいます。

ネット・書籍にはたくさんのがんに効くという治療方法・食事療法などが紹介されています。高い効果は期待できなそうにないけど、「効く可能性があるなら、試してみたらいいじゃない」と思われる方も多いと思います。

確かに”本当に効く可能性”があるなら、試してみる価値はもちろんあります。しかし、がんの専門家がそれらをお勧めはしません。それは”本当に効く可能性”というのが、実際には極めて低いからです。

未承認治療の何%くらいが「本当に効く可能性」があるとお考えですか?5%?10%くらい?皆さん、いろいろな想像をされているかと思います。しかし、我々が知っている実際の「本当に効く可能性」は、皆さんが考えるよりもはるかにはるかに低いです。

標準治療以外をお勧めできない最大の理由は、

皆さんは世の中にはたくさんのがんに効くと謳う治療が紹介されているので、少しくらい効く未承認治療は結構あると思われるのかもしれません。しかし、実際にはがんに効くという未承認治療はほとんど存在していません。